福島県郡山市大槻町 眼科 君塚医院ホームページ:目のいろいろやQ&A、医院案内、院長のコラムなど、皆様のお役に立ちたいと思っております。

福島県郡山市 眼科 君塚医院
眼科 君塚医院
〒963-0209 郡山市御前南一丁目5番地
TEL. 024-962-3355
FAX. 024-962-3300

ここでは、皆様から寄せられる様々な質問の中から特に多い疑問についてお答えしていきます。こちらに掲載されていない内容でも院長自ら丁寧にお返事いたしますので、疑問に思うことがあれば遠慮なくお問い合わせ下さい!

新着「Q28:白内障手術時期

  1. 糖尿病があり目の検査をするように言われ眼科を受診し、網膜症は無いと診断されました。視力は悪くないので、定期検査はしなくても大丈夫でしょうか?
  2. 白内障の手術を受けました。手術は上手く行ったと言われましたが期待していたほど見えません。
  3. 緑内障と診断されています。風邪薬に緑内障には禁忌と書いてありました。飲むことはできないのでしょうか?
  4. 2年前に白内障の手術を受けました。手術後しばらくは良く見えていたのですが、現在は、かすんで、手術を受ける前くらいの見え方に戻ってしまいました。
  5. 検診で(緑内障性)視神経乳頭陥凹と言われました。
  6. ドライアイの治療で、涙点プラグを薦められました。どのようなものですか?
  7. 流行性角結膜炎と言われました。どのようなことに注意すれば良いでしょうか?
  8. 眼科を受診すると「散瞳」するように言われますが、なぜ散瞳するのですか?
  9. 飛蚊症があるため眼科を受診しました。悪いものではないと言われましたが、なかなか良くなりません。
  10. 半年前に白内障の手術を受けました。手術を受けてよく見えるようになりましたが、まだ通院しなければなりませんか?
  11. 1歳半の子供ですが、目やにが出るため眼科を受診し、内反症と言われました。目薬をつけると良くなりますが、また症状が出てきました。
  12. 以前から少しかすんで見えていましたが、最近になり、暗い場所よりも明るい場所で見づらくなってきました。
  13. 目がかすんでみえるため眼科を受診しました。老人性白内障と診断され、手術を受けるように言われました。不安になって、別の眼科も受診したら、まだ手術を受ける必要はないと言われました。どうしたらよいでしょう。
  14. 飛蚊症があり、眼科でレーザー治療を受けましたが、症状が良くなりません。
  15. 学校検診でアレルギー性結膜炎と言われました。プールに入っても大丈夫ですか?
  16. コンタクトレンズを作ろうと思い眼科を受診しましたが、先に眼鏡を合わせるように言われました。どうしてコンタクトレンズではいけないのでしょうか?
  17. 近視についての相談
  18. 多焦点眼内レンズ
  19. 小学生のコンタクトレンズの相談
  20. 子どもの近視
  21. プールでの充血
  22. 検診と糖尿病の定期検査
  23. 難易度の高い白内障手術
  24. 緑内障点眼と副作用
  25. コンタクトレンズを外した後の目の痛み
  26. 緑内障
  27. 緑内障の治療
  28. 白内障手術時期
  29. 日食網膜症 new
  30. コンタクトレンズ装用時近くが見づらい new

Q30:私は極度の近視で、視力が両目共に0.06しかありません。今、ハードのコンタクトレンズを使用していますが、ときどき、近くのものが見えにくい時があります(疲れている時や夜など)。コンタクトをしている状態で遠視になっているのでしょうか。それとも老眼でしょうか。とても不安です。

A:まず、層用しているコンタクトレンズ(CL)が、現在の近視の程度に合っているとすると、老眼と考えるのが妥当と思われます。多くの方は40歳台半ばで新聞や本など近くのものが見えづらくなります。老眼の状態で、きちんと合ったCLを装用していれば、遠くは良く見え、近くが見づらい症状が生じます。
次に、CLの度数が合っていない過矯正(CLの度数が強すぎる)の状態として考えてみます。過矯正のCLの装用は、ピントを合わせる毛様体を常に緊張させている遠視と同様の状態です。遠くは見えるが疲れる、眼痛や肩こりと言った症状が生じ、近くは更に見えづらくなります。
多くの場合、夜や疲れている時は涙液の分泌が低下しています。このようなドライアイの状態でも見えづらいといった症状が生じます。
CLの定期検査(CLを装用している方は必須です)を受けていると思いますが、使用しているCLが適正であるか、ドライアイではないかを担当医に確認してください。CLが合っていないのであれば、正確に合わせ直す、ドライアイであれば薬の使用が症状を軽減させます。
老眼が生じた場合の対策として、@CLを装用したまま、近くを見るときに老眼鏡を掛ける、ACLの度数を弱くし近くをある程度見やすくする(遠くが少し見えづらくなります)、B近くが見えるようにCLを合わせ、遠くを見るときに眼鏡を掛ける、C遠近両用のCLにする(単焦点のCLほどはっきり見えず、遠くも近くも中途半端な見え方となります)等が考えられますが、一長一短があります。眼科受診時に相談してください。先にも述べましたが、CLの度数にずれが生じないか、CL装用に伴う病気が起きていないか(自覚症状が無いものが多数です)、眼科での定期検査を必ず受けて下さい。

2012.05月12日号「リビング郡山」掲載

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Q29:5月21日に郡山でも金環食を見ることが出来ますが、太陽を直接見ると、どのような病気になりますか?

A:網膜にやけどのような障害が生じ視力低下を生じることがあります。
初期には無症状か軽度の幻惑、充血が起こる程度ですが、その後、徐々に視野の真ん中に見づらい場所が生じて視力が低下すると報告されています。日食網膜症と呼ばれ、太陽光線の中でも波長の短い光が網膜の中の網膜色素上皮と言う部分で光化学反応を起こして視細胞を障害するために生じると考えられています。 症状は自然に回復し元に戻る場合が多いのですが、見づらい状態が持続したり、網膜の変性や黄斑円孔が生じると視力回復が得られない場合もあります。 なかなか見る機会のない金環食ですが、目に障害を起こさないために(決め手となる治療法がありません)、肉眼や、望遠鏡で直接太陽を見ることは決して行わないでください。ススをつけたガラス板、黒い下敷、サングラスやゴーグル等での観察も目を守るには不十分です。適正な検査基準を満たした日食観察用グラス等の専用機材を、説明書に沿って正しく使用し観察を行ってください。

2012.05月号「HEART こおりやま」掲載

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Q28:天気が良い日に眩しく感じるので眼科を受診し、白内障なので手術を受けるように言われました。先日、運転免許の更新をしたばかりで、視力は悪くないと思っていましたが、白内障の手術を受ける必要はあるのでしょうか?

A:自動車の運転に支障がなく、日常生活に不便を感じていないのであれば、急いで手術を受ける必要はない思います。
白内障の中には、目の中に炎症を起こしたり、緑内障を起こすものがあり、この場合は、手術を急ぐ必要があります。このような状 態かどうかを担当医に確認してください。
人間の目は対光反射で、黒目の大きさが変化します。白内障は水晶体(黒目)が濁っている状態です。黒目のど真ん中に濁りがあると、対光反射の影響を受け、明るい場所では却って見づらくなってしまいます。また、白内障の程度が強くなくても、光の乱反射のためまぶしく感じてしまいます。
白内障は先に上げたような状態でなければ、手遅れになる病気ではありませんので、ご自分で見づらさを感じるまでは、様子をみても良いと思います。もちろん、自動車の運転をするのであれば、眼鏡をかけても (白内障の影響で) 0.7の視力が出なければ手術を受けて、安全運転ができるようにする必要があると思います。

2011.10月号「HEART こおりやま」掲載

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Q27:緑内障の治療について教えてください。

A:緑内障は視神経,視野に特徴的な変化を有し,眼圧を下降させることで病気の進行を阻止し得る疾患と定義されています。 従って、緑内障に対する唯一確実 な治療法は眼圧を降下させることです。
緑内障にはいくつかの種類があり、治療法にも違いがあります。今回は、最も頻度の高い開放隅角緑内障(原発性開放隅角緑内障・正常眼圧緑内障)について記載します。治療には薬物(点眼薬)治療、レーザー治療、手術治療があり、病期・病型に応じて選択します。また、どこまで、眼圧を下げるかは、病期、患者さんにより異なります。
一般的には、まず、点眼薬による治療を行います。複数の点眼薬を併用しても十分に眼圧が下がらない場合、点眼薬をきちんと点眼できない場合にはレーザー治療、手術治療を行います。(短期間内服薬を用いる場合もあります。)レーザー若しくは手術で眼内を満たしている水(房水)の出口(隅角)を広げ房水流出を促進させる方法、手術で房水を眼球の外への新たな流出路を作る方法が多く行われています。
一旦障害された視神経は元には戻りません。緑内障に対する治療は現状をできるだけ悪くさせないことが目的ですので、早期発見、早期治療が大切です。

2011.6月号「HEART こおりやま」掲載

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Q26: 緑内障の治療で通院しています。今までは目薬を2本処方されていましたが、1本に代わりました。「眼圧を下げておくのが治療です」と言われていましたが、眼圧は良くなっている訳ではありません。1本に減らしても大丈夫でしょうか?

A:CLの装用中に、角膜の表面に小さな傷ができたことが原因と考えられます。
内障は眼球から脳につながっている視神経が傷んでしまう病気です。現在のところ眼圧を下げることが1番の治療であると考えられています。
眼圧を下げる点眼薬は作用機序によって数種類に分類されます。1種類で十分な効果が得られない場合、2種類以上点眼薬を組み合わせて治療します。最近、2種の薬効をもった合剤が国内でも使用可能になりました。
多数の点眼薬を処方されると、点眼を忘れてしまい十分な治療効果が得られない場合があります。このような場合、1回の点眼で済む合剤が、より効果を発揮します。他の要因があって点眼薬を変更した可能性もありますので、心配であれば担当の医師に確認をしてください。
緑内障が悪くなってから、視機能を元に戻すことはできません。きちんと治療を継続することがとても重要です。

2011.1月号「HEART こおりやま」掲載

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Q25: コンタクトレンズ(CL)を使っています。夜CLを外した後、少し痛みを感じ、涙がこぼれることがあります。CLを使っている間は何ともないので使い続けていますが、大丈夫でしょうか?

A:CLの装用中に、角膜の表面に小さな傷ができたことが原因と考えられます。

CLは瞬きする時に分泌される少量の涙を介して、いつも角膜と接しています。CLの形が目に合っていない場合やドライアイで目の表面とCLが乾燥していると、角膜の表面に傷ができる危険性が増します。ソフトコンタクトレンズの場合、小さな傷ができても、CLが傷を覆うため、傷の痛みを和らげてしまいます。このため症状が出ず、CLを外した後に痛みを感じたり涙が流れます。

このような傷を繰り返し出来ると、透明な角膜が白く濁ったり、角膜が痛んでしまい将来CLが使えなくなる事につながります。CL装用中・装用後に少しでも異常を感じたら装用を中止し、症状が残るようでしたら眼科を受診してください。異常が無くてもCLは漫然と装用せず、必ず定期検査を受けてください。

2010.9月号「HEART こおりやま」掲載

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Q24: 緑内障と診断されて点眼薬を毎日点眼していますが、全然良くなったように思いません。また、瞼が少し黒くなってきたようにも思います。

A:緑内障は失明原因の一位となっている重要な目の病気です。目の神経がいたむことで、視野(見える範囲)が狭くなり、最悪の場合は失明することがあります。初期には自覚症状がないことが多く、検査をして初めて診断がつくことが多数あります。
眼圧を下げることで、病気の進行を止めたり、遅らせる治療が行われますが、一度いたんでしまった神経は元に戻すことができないため、治療をしても「良くなったなぁ」と感じることは、まずありません。

治療に用いられる点眼薬はたくさんの種類があり、効果的なものの中には瞼が黒ずんでくる、睫毛が太くなる等の副作用を持つものがあります。点眼薬を中止することで副作用は軽減すると言われていますが、どうしても気になるのであれば、点眼薬の変更について担当医に相談してください。

先述したように、緑内障が進行すると視野を回復させることはできませんので、自覚症状がなくても、治療による効果を実感できなくても、緑内障であれば眼科を定期的に受診し適切な治療を受けるようにしてください。

2010.5月号「HEART こおりやま」掲載

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Q23:白内障の手術を受ける予定ですが、「難しい白内障です」と言われました。白内障の手術は簡単なものでは無いのですか?

A:まず、手術全般に言える事ですが簡単な手術はありません。白内障の手術も合併症が起これば失明にもつながる危険性があります。

一般的な白内障手術は3mm程度の切開創から手術を行いますが、手術で取り出す水晶体は白内障が進行していれば固くなっているため細かく砕いて濁りを取り出すのに苦労する事があります。

硝子体圧(眼球の内部の圧力)が高かったり、散瞳が十分でない (黒目が大きくならない) 場合も手術が難しくなりますし、水晶体を支えているチン氏帯が弱ければ合併症の起こる危険性が高くなります。水晶体と角膜(眼球の表面)のスペースが十分でなかったり、角膜に濁りがある場合も手術の難易度は高いと言えます。また、手術中に目をきょろきょろ動かしてしまう場合も手術が難しくなります。

いずれにしろ、不安を抱えたまま手術を受ける事は望ましくありませんので、担当の先生にどのような理由で手術が難しいかを確認してください。

2010.1月号「HEART こおりやま」掲載

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Q22: 糖尿病の治療を受けています。定期的に眼底検査を受けるように言われましたが、検診で眼底写真を撮ったので、来年まで眼底検査を受けなくても大丈夫でしょうか?

A:糖尿病の治療状況、眼に網膜症を合併しているかどうかでも違いますが、年に1度、眼底写真1枚だけの検査では不十分です。

眼底写真には黄斑部という網膜の中心部近くしか写りませんので、眼底全体を検査している事にはなりません。糖尿病による初期の眼底出血は網膜の中心部だけに生じるのではなく、周辺部に生じる事があり、眼底写真に写る範囲からちょっとだけ離れた場所に出血する事もあります。この様な出血を見逃さないためにも、眼科を受診し散瞳(点眼薬を使い黒目を大きくする)した上での眼底検査を受けてください。

糖尿病網膜症は放置すると失明につながる場合もあります。早期に発見して、状態に応じた治療がとても大切です。

2009.9月号「HEART こおりやま」掲載

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Q21: 小学4年生の娘について質問します。学校のプールに入ると目が真っ赤になります。しばらくすると治るので、特に治療もしていませんでしたが、今年も間もなくプールの季節になるので心配です。何か予防法などはあるのでしょうか。

A:学校や公共施設のプールの水には感染症の対策として塩素が高濃度に含まれています。
この高濃度の塩素が刺激となり、結膜(白目の表面の粘膜)に充血が生じたと考えられます。

時間が経つと症状が治まるのであれば、重篤(じゅうとく)な炎症が生じているとは考えられませんが、結膜以外に角膜(黒目・茶目)の表面を傷つけていることもあります。

これらの症状をできるだけ起こさないようにするため、プールに入るときはゴーグルを装用すると良いでしょう。

ゴーグルを着けても、どうしても目に水が入ることは避けられませんので、プールから上がったら洗眼することが必要です。
ただし、水道水にも塩素が含まれているため、水道水で洗眼することは避け、できれば人口涙液(防腐剤が含まれていないものが望ましい)を点眼すると良いでしょう。

2009.7月号「福島リビング こども相談室」掲載

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Q20: 小学校3年生の子供が近視と言われました。眼鏡を掛けると近視が進むので掛けさせたくないのですが。

A:眼鏡を掛ける事で近視が進行する事はありません。

身体の成長に伴って眼球も大きくなってゆきます。その結果、ピントの合う位置が眼球の中で網膜の前方になってしまいます。このため、成長とともに近視は強くなる傾向があり、多くの場合、小学校から高校にかけての成長期が、この近視が強くなる時期に当たります。

また、眼鏡を掛けると遠くのものがはっきりと見え、眼鏡を外すとぼんやりと見える事が解ってしまうので、自然と、眼鏡を装用する時間が長くなってしまいます。このため、眼鏡を掛ける事で、近視が進行したように思えてしまうのかもしれません。

近視を放置したままでいると、遠くのものは見づらくなり、眼を細めたり顔をしかめたりで、顔の印象が変わってしまう事もあります。裸眼で十分な視力が出ないのであれば、是非眼鏡を装用してください。

2009年5月号「HEARTこおりやま」掲載

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Q19: コンタクトレンズを装用するのに年齢制限などはあるのでしょうか。また、子どもが装用するための注意点などがあれば教えてください。

A:コンタクトレンズ(CL)を装用して眼鏡から解放されるのは、スポーツをする時などに大きなメリットを感じると思います。しかし、CLは直接眼に触れるものなので、使い方を間違えると失明につながる大きなトラブルを引き起こしかねません。
CLを装用するのに年齢制限はありませんが、安全に装用するためには、少なくとも自分の身の回りのことが完全にできる年齢であることが目安になるでしょう。また、CLは少なからず眼に負担をかけるので、小さいころからの装用開始は望ましくありません。これらのことをふまえると、装用開始の時期は個人差はありますが、やはり中学生になってからが良いと思います。

CLを装用する時の注意点は、「目にごみが入るなど装用中に異常を感じたら、すぐにCLをはずして装用しなおす。それでも違和感や痛みを感じるようであれば、中止して眼鏡に替える」(いつも眼鏡を一緒に持ち歩いてください)「装用している時間が長くならないようにする」「装用したまま眠らない」「定期検査を必ず受ける」等です。

眼の状態によっては装用できない方がいますので、CL処方の際は必ず眼科専門医で診察を受けてください。

2009年2月号「HEART こおりやま」掲載

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Q18: 遠近両用の人工水晶体(多焦点眼内レンズ)について教えて下さい。

A:これまで、白内障手術では摘出した水晶体の替わりに、遠くか、近くのどちらかにピントが合う人工水晶体(単焦点眼内レンズ)のみが使われてきました。この場合、遠く又は近くを見る時に(遠近どちらにピントを合わせたかによって)眼鏡の装用が必要です。 昨年から厚生労働省の認可を受けた多焦点(遠近両用)眼内レンズが国内でも使用可能となり、術後の眼鏡装用から解放される可能性が出てきました。単焦点眼内レンズでも、多焦点眼内レンズでも手術の手技に殆ど違いはありません。

しかし、現在、問題点がいくつかあります。多焦点眼内レンズとは言っても、遠近ともに、くっきりとピントが合うまでには至っていない事。価格が非常に高く、通常の保険診療では対応できないため、患者さんの金銭的な負担がとても大きい事。見え方に慣れるまで長い時間がかかる事などで、すべての方が十分な満足感を得られていない状況です。また、多焦点眼内レンズが向かない方も少なからずいらっしゃいます。 雑記:まだ、問題点が残っていると思いますが、手術を受ける時の選択肢が増えた事は、とても望ましいと思います。

2008年1月号「HEARTS こおりやま」掲載

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Q17: 近視についての相談

A:ご両親がどうして視力が悪いのか解らないため、近視で視力が悪いという前提で回答させていただきます。
近視は眼の中に入ってきた遠くからの光が網膜の手前で像を結んでしまうために、ぼやけて見える状態です。 軸性近視(眼球の奥行きが長すぎる)、屈折性近視(角膜・水晶体の屈折力が強すぎる)に分類されます。

近視を引き起こす原因は解明されてはいませんが、遺伝的要因と環境的要因が関係していると考えられています。眼球の大きさや形状などが遺伝的要因です。遺伝的な要因は替える事ができませんが、環境的な要因は対策を立てる事で、ある程度は軽減させる事ができるかもしれません。
テレビを観る時はテレビとの距離が近くならないようにする。テレビ、ゲームの時間が長くならないようにする。本を読む時、勉強の時の姿勢や明るさに注意する。近くばかりではなく、遠くを見る習慣をつける。電車や車など揺れる乗り物の中では本を読まない…などです。
近視以外にも遠視、乱視、偽近視、他の疾患で視力が悪い場合があります。お子様が見づらそうにしているようでしたら、是非、眼科で原因を調べてください。

2008年12月1日号「リビング郡山 リビングこども相談室」掲載

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Q16:以前作った眼鏡が合わなくなってきたのでコンタクトレンズを作ろうと思い眼科を受診しましたが、先に眼鏡を合わせるように言われました。どうしてコンタクトレンズではいけないのでしょうか?

A:コンタクトレンズは直接眼球に接触するので、長時間装用すると眼に様々なトラブルを引き起こすことがあります。(角膜に傷ができれば非常に強い痛みが生じます。さらに、最悪の場合失明につながることもあります)

眼への負担を考えればコンタクトレンズは使わないに超したことはありません。眼にちょっとでも異常を感じたらコンタクトレンズは使わないようにしてください。コンタクトレンズが使えない時のため、また、できるだけコンタクトレンズを使う時間を短くするために、きちんと合った眼鏡を持っていることが、コンタクトレンズを使う上では必須のことです。 コンタクトレンズを使わなくても、車の運転ができるように、学校で黒板の字が見えるように、コンタクトレンズの前に、きちんと見える眼鏡を是非作ってください。

2008年10月号「HEARTこおりやま」掲載

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Q15: 学校検診でアレルギー性結膜炎と言われました。プールに入っても大丈夫でしょうか?

A:アレルギー性結膜炎は、花粉、ハウスダスト、ダニや動物の毛など、アレルギー反応を生じさせるものが結膜(目の表面、眼瞼の裏側にある粘膜)に炎症を引き起こす疾患です。細菌性・ウィルス性結膜炎のような感染による結膜炎とは違い、他の人にうつる危険性はありません。

しかし眼の粘膜に炎症が起きている状態ですので、プールの水に接することが刺激になってより悪化したり、目の抵抗力が下がってしまう危険性があります。

充血、かゆみ、めやに、まぶたの腫れ、白目の表面がむくんでいる等の症状がある場合はプールに入らないで下さい。 また、症状が強い場合はアレルギー性結膜炎だけでなく、細菌やウィルスの感染が生じている可能性もあります。必ず眼科での診察を受けて下さい。

2008年7月号「HEARTこおりやま」掲載

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Q14: 飛蚊症があり、眼科でレーザー治療を受けましたが、症状が良くなりません。

A: おそらく、網膜剥離の前段階である網膜裂孔に対してレーザー治療を受けたものと考えられます。 網膜裂孔は人間の目をカメラに例えた場合、フィルムに相当する網膜に裂け目ができる疾患です。網膜裂孔が生じると、眼内に出血が生じたり、本来は網膜の下に存在する網膜を眼球に貼り付けておく細胞が眼内に遊離して眼内に濁りが生じるため、飛蚊症の症状が出ます。

網膜裂孔が存在すると、網膜剥離に至る危険性が生じてきます。この危険性を減少させるために、網膜を眼球に硬く糊付けした様な状態にするレーザー光線を裂孔周囲に照射します。しかし、レーザー治療を行い網膜剥離に至る危険性を減少させても、眼球内に生じた濁りを取り除いている訳ではありませんので、飛蚊症の症状は残存してしまいます。
この濁りは長い時間をかけて、徐々に吸収されることが多いので、症状の悪化が無ければ経過を見ているだけでよいと思います。ただし、症状に変化が無くても新たな、網膜裂孔が生じている場合もありますので、定期的な診察を忘れずに受けてください。

2008年4月号「HEARTこおりやま」掲載

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Q13: 目がかすんでみえるため眼科を受診しました。老人性白内障と診断され、手術を受けるように言われました。不安になって、別の眼科も受診したら、まだ手術を受ける必要はないと言われました。どうしたらよいでしょう。

A:白内障は黒目(水晶体)が濁るために視力が低下する疾患です。薬物で濁った水晶体を元通り透明にすることはできませんので、よく見えるようにするためには手術を受けることが必要です。

特殊な白内障でなければ、手遅れになることはありませんので、日常生活や社会生活上で不便を感じるようになった時に手術を受けられるのが良いと考えます。現在の見え方に不便を感じていなければ、まだ手術を受けなくても良いのではないでしょうか。

ただし、白内障の中には目に炎症や、緑内障等、他の疾患を引き起こすものも稀にあります。白内障が極端に進行してしまうと白内障手術の難易度が増す場合もありますので、かかりつけの眼科を定期的に受診して状態の説明を受けると良いと思います。

2008年1月号「HEARTこおりやま」掲載

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Q12: 以前から少しかすんで見えていましたが、最近になり、暗い場所よりも明るい場所で見づらくなってきました。

A:白内障による症状が考えられます。

白内障は黒目(水晶体)が濁ってくる病気です。水晶体は虫メガネの様な円盤状の形をしていますが、その濁り方には水晶体全体が濁ってくるもの、水晶体の周辺部が濁ってくるもの、水晶体の中心部が濁ってくるもの等いろいろあります。明るい場所でかえって見づらくなるのは水晶体の中心部が濁ってくるタイプの白内障と考えられます。

人の目には対光反射があり、明るい場所では黒目が小さくなってしまいます。中心部が濁るタイプの白内障では、対光反射により光の通り道が邪魔されてしまい、明るい場所では見づらくなります。(逆に暗い場所では黒目が大きくなり、水晶体の濁りのない場所を光が通れるため明るい場所よりも見やすくなります。)
日常生活で不便を感じなければ、経過観察でよいと思いますが、不便を感じるようであれば、白内障は薬物で治すことは出来ないので手術を考えるのが良いと思います。

もちろん、他の疾患で症状が出ている可能性もありますので、専門医の診察を受けることをお勧めします。

2007年10月号「HEART こおりやま」掲載

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Q11: 1歳半の子供ですが、目やにが出るため眼科を受診し、内反症と言われました。目薬をつけると良くなりますが、また症状が出てきました。

A:内反症は、小さな子供に多く、大概は下の瞼が眼球側に向かっているために、まつ毛が眼球の表面をこすっている状態です。

症状としては、結膜炎が起きるために、目やに、充血が起こる。まつ毛で角膜の表面に傷がつくために、涙がこぼれる、まぶしく感じる。その他、目を擦る、瞬きをよくする等です。

年齢が小さいうちは、下まぶたがぽっちゃりとしているために内反症を起こしやすいのですが、成長とともに自然に治ることも少なくありません。

角膜の傷、結膜炎に対する治療を行います。角膜への障害が大きい場合や、成長しても内反症が改善しない場合は視力に影響が出る事がありますので、まつ毛が眼球に当たらないように手術を行います。

2007年7月号「HEART こおりやま」掲載

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Q10: 半年前に白内障の手術を受けました。手術を受けてよく見えるようになりましたが、まだ通院しなければなりませんか?

A:手術を受けて経過が良いようですが、定期的に検査は受けなければいけません。

現在、白内障の手術は殆どの症例で3mm以下の切開から手術を行うことが可能で、手術時間も短く、手術後の視力の回復も非常に早くなっています。しかし、小さい傷口といえ、手術は眼球にとっては大きな負担です。

自覚症状がなくても、眼球の中では炎症を起こしていることがありますし、人工水晶体(眼内レンズ)の位置についてもチェックをする必要があります。また、眼内レンズの後ろには水晶体嚢という透明な膜があり、これが曇ってくるために、視力が下がってしまう後発白内障を発生していることがあります。頻度は少ないのですが、手術後、長い時間が経過してからも眼球に細菌が感染し強い炎症を発症する場合がありますし、他の病気も発症することも無い訳ではありませんので、手術後半年以上経過しても、3ヶ月〜6ヶ月毎位に定期検査を受けることをお勧めします。他の疾患を持っている方は、もっと短期間で検査を受ける必要があります。

眼球の状態は人それぞれ違いがありますので是非担当の先生の指示に従って検査を受けるようにしてください。

2007年4月号「HEART こおりやま」掲載

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Q9: 飛蚊症があるため眼科を受診しました。悪いものではないと言われましたが、なかなか良くなりません。

A:後部硝子体剥離による飛蚊症と思われます。瞳の後ろには、眼球の3/4を占める硝子体があります。硝子体は元来、ほぼ透明なゼリー状の組織ですが、老化をはじめとする様々な原因によって濁りが生じてきます。その濁りの影が網膜に映ることによって飛蚊症は引き起こされます。

眼球は閉ざされた空間で、硝子体は卵の白味のようにドロドロとしており、その濁りを洗い流す訳には行きませんので、飛蚊症はすぐには消えません。時間が経てば、気にならなくなることが多いので、このまま経過を見て下さい。もちろん、飛蚊症が急に悪化したり、光視症(暗いところで光ったものが見える)が出現したりするようであれば、他の疾患が発症している可能性もありますので、眼科を受診して下さい。

症状に変わりがなければ、あまり気にしないようにして、月に1〜2度、片目を隠して、飛蚊症が悪化していないかどうかチェックする事が良いと思います。

2007年1月号「HEART こおりやま」掲載

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Q8: 眼科を受診すると「散瞳」するように言われますが、なぜ散瞳するのですか?

A:散瞳(ひとみを開く)しなくても、検査をすることは出来ますが、十分に正確な検査が出来ません。

眼科医は瞳孔(黒目)を通して眼球の中を検査します。眼球の中は暗いので、強い光を当てて検査をします。光を当てると対光反射で瞳孔が小さくなり検査範囲が狭くなってしまいます。

眼底検査は散瞳をしなくても出来ますが、散瞳をする/しないでは、検査できる範囲が随分と違います。散瞳剤を点眼することで、眼底をより広く、より詳細に検査することが可能となります。また、虹彩(茶色目)の奥にある、水晶体、硝子体の検査も散瞳しなければ十分に出来ず、白内障や、飛蚊症の診断も正確には行えません。

散瞳することで、『まぶしい』『見づらい』『ぼやける』といった症状が3〜4時間つづき元に戻ります。車・バイク・自転車などの運転は危険ですのでできません。送り迎え、又は公共交通機関をご利用ください。やむをえず運転される方は、十分に休んでから気をつけてお帰り下さい。

2006年10月号「HEART こおりやま」掲載

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Q7: 流行性角結膜炎と言われました。どのようなことに注意すれば良いでしょうか?

A:「はやり目」とも言われ、アデノウイルスの感染による結膜炎です。強い充血、なみだ、目やに、瞼の腫れ等の症状が起こります。目やに・涙にウイルスが含まれており、感染力が強いために他の人にうつさないことが大切です。学校保健法では出席停止が義務づけられています。

注意点を以下に記載します。

  • タオル類は家族と別にする
  • 目をこすらない
  • 本人、家族ともに手洗いを良くする
  • 入浴は最後、またはシャワーのみにする
  • 点眼薬は共用しない
  • 外出を避ける

などです。

社会人に対しては制限する法律はありませんが、他の人にうつさないようにするため、伝染の恐れがなくなるまで就業は控えてください。

2006年7月号「HEART こおりやま」掲載

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Q6: ドライアイの治療で、涙点プラグを薦められました。どのようなものですか?

A: ドライアイの治療は人工涙液やヒアルロン酸ナトリウム点眼液の使用が基本ですが、ご自分の涙液や点眼液は、目頭にある涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管を通って鼻の奥に流れてゆきます。点眼薬だけで十分な治療効果が得られない場合に涙点プラグの治療を行います。涙点から排出されてしまう涙液、点眼液を有効利用するために涙点を塞いでしまう治療です。

方法は点眼麻酔をした上で、涙点の大きさを測定して、涙点の大きさにあったシリコーン製のプラグ(大きさは1mm程度)を挿入します。治療中は痛みを感じることはありませんし、治療後に異物感を感じることもほとんどありません。術後に抜け落ちることもありますが、多くの方に、非常に効果的な治療です。

2006年4月「HEART こおりやま」掲載

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Q5: 検診で(緑内障性)視神経乳頭陥凹と言われました。

A: 眼で見た情報は、直径1.5mm程度の視神経を通って脳に伝達され、私たちは物を見たことを認識します。眼底検査をした時に見ることのできる、この視神経と眼球の接続部を視神経乳頭と言います。正常の視神経乳頭は、ほぼ平坦〜軽度のくぼみがある状態ですが、このくぼみが大きいもの、くぼみの形に異常があるものを緑内障性視神経乳頭陥凹と言います。

眼圧が高い、視神経乳頭の循環に異常がある、視神経乳頭が脆弱にできていることなどが、陥凹の原因と言われています。名前の通り、緑内障の疑いがありますので、眼科を受診して、視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、眼底検査、視野検査、隅角検査などを行い、緑内障であるかどうか、また、どのような種類の緑内障であるか診断を受けて下さい。

2006年1月「HEART こおりやま」掲載

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Q4: 2年前に白内障の手術を受けました。手術後しばらくは良く見えていたのですが、現在は、かすんで、手術を受ける前くらいの見え方に戻ってしまいました。

A: 白内障手術後は視力が良好で、徐々に視力が下がってきたのであれば、「後発白内障」が最も考えやすいと思います。

白内障は水晶体が濁ってくるために視力が低下する疾患です。水晶体は水晶体嚢という袋に包まれており、一般的な白内障手術は水晶体嚢の中の濁りだけを取り除いて、残った水晶体嚢に眼内レンズをはめ込む方法で行います。水晶体嚢は時間が経つと濁ってくる場合があり(この濁りが後発白内障です)、後発白内障が生じると手術前と同じように「かすみ」「視力低下」が起こります。治療はレーザーを用いて、痛みも無く、短時間で行うことができます。しかし、眼底の腫れ、眼底出血や、眼内の炎症など、他の病気で視力低下を起こしている可能性もありますので、眼科を受診して視力低下の原因の診断を受けて下さい。

2005年10月「HEART こおりやま」掲載

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Q3: 緑内障と診断されています。風邪薬に緑内障には禁忌と書いてありました。飲むことはできないのでしょうか?

A: 緑内障の種類によっては服用することができないことがあります。

緑内障は隅角(房水という眼球を満たしている水分の出口)の形状によって、開放隅角緑内障と、狭隅角緑内障に分類されます。風邪薬、精神安定剤や睡眠薬には瞳孔を大きくする作用を持つものがあります。狭隅角緑内障では瞳孔が大きくなると隅角が塞がり、房水が眼球の外に流れ出なくなることがあります。急激に眼圧が上昇する「緑内障発作」と言い眼に悪影響が出ます。開放隅角緑内障であればこの様な問題はありません。狭隅角緑内障でもレーザーで房水の流出路を確保する治療を受けている方、瞳孔を小さくする点眼薬を使用している方の服薬は可能です。眼科の主治医にどのタイプの緑内障であるか尋ねてから服用するようにして下さい。

2005年7月「HEART こおりやま」掲載

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Q2: 白内障の手術を受けました。手術は上手く行ったと言われましたが期待していたほど見えません。

A: まず、眼鏡をかけてみて視力が出るかどうかを調べます。手術前からの乱視は術後にも残りますし、近視、遠視があれば眼鏡なしでは、はっきりとは見えません。白内障手術で用いられる眼内レンズ(人工水晶体)には調節力がありませんので、遠くを見る時、近くを見る時のどちらかは眼鏡が必要となります。

また、白内障の手術は濁った水晶体を摘出して、透明な眼内レンズと置き換えるものです。このため、水晶体以外の部分に病気があると手術後にも十分な視力が得られないことがあります。角膜混濁や眼底の病気(糖尿病や高血圧で起きる眼底出血、緑内障、黄斑変性症 等)を合併している場合です。人間の眼をカメラに置き換えて考えてみましょう。白内障手術は曇ったレンズを交換することです。レンズが良くても、カメラ本体の調子が悪かったり、フィルムの状態が良くなければ、きれいな写真が撮れないことと同じです。白内障以外の病気が無いか、主治医に確認してください。

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Q1: 糖尿病があり目の検査をするように言われ眼科を受診し、網膜症は無いと診断されました。視力は悪くないので、定期検査はしなくても大丈夫でしょうか?

A: 必ず定期検査を受けて下さい。

血糖の高い状態が続くと全身の小さな血管が障害され多くの合併症が引き起こされます。糖尿病網膜症、糖尿病神経症、糖尿病腎症が3大合併症と言われています。

糖尿病網膜症は進行具合によって、(1)単純網膜症、(2)前増殖網膜症、(3)増殖網膜症、の3段階に分類されます。糖尿病網膜症で注意しなければならないのは、末期の増殖網膜症に至るまで、ほとんど自覚症状が出ないことです。

単純網膜症(1)の段階では血糖コントロールをきちんと行うことで進行を食い止めることが出来ます。前増殖網膜症(2)の段階になると光凝固による治療を行う必要性が生じてきます。定期的に眼底検査を行い適切なタイミングで光凝固を行えば、多くの場合(80%以上)で増殖網膜症への悪化を阻止することが可能です。自覚症状が出てくる増殖網膜症(3)に進展してしまうと光凝固の効果が極端に低下しますし、さらには複雑な硝子体手術を受ける必要性も出てきます。

糖尿病網膜症は放置していると、前増殖網膜症の段階を過ぎる頃から、血糖の状態が良くても悪化します。現在は手術の技術が進歩していますが治療が遅れたために多くの方が失明に近い状態になっています。そうならないように、糖尿病と診断されたら必ず定期検査を受けて下さい。

2004年9月「HEART こおりやま 9月号」掲載

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